ロマンティックあげ~るよぉ♪ [喜怒哀楽寂快]
いわばもう師走である。
こないだ語学関係の参考書を買いに行った店で「ドラゴンボール」全巻を見つけてしまった。
それを見つけた私は書店の一番おくの方に固めて置かれているそれらの漫画の前でしばし動きを止めて考えていた。
私にはこの行動がどこかもどかしくそれでいてなぜか懐かしいように感じた。
そうだ、月のお小遣いが千円にも満たなかった小学生のころの私は物を買うということに対して今では想像できないくらい慎重に対処していた、その時の感じだ。
いや、ぶっちゃけ生活に無くてはならないわけではないし、でもやっぱそりゃ欲しいじゃないですか「ドラゴンボール」なわけですから。
『あー、なんだこれ。いい年した大人がドラゴンボール全集の前でピクリとも動かずにじっと棚を見つめてる。しかもここ語学参考書のコーナーだし、傍から見たらぜってー変な人』そんな思いに駆られながらもここは慎重に。
そして決めました。私、買いました。八巻から十二巻。
なんで八巻から十二巻やねんっていうのがあると思いますが、ちょくちょく揃えていくフェチなんです私。
そんなカミングアウトが飛び出たり飛び出なかったりしているが、それはどうでもいい。
子供のころは漫画よりもアニメで親しんできたドラゴンボールだったので漫画で読むのは初めてに近かった。
しかしこうして再び見てみると当時は感じなかったストーリー以外の些細な部分が気になってくる。
表紙とかも今見たら毎巻、絵のタッチとかも微妙に違っていて普通に可愛い。だってこれ20年前の作品ですからねぇ、あの当時この描写技術と微妙な可愛い感も踏まえつつのセンス。鳥山明がいろんな分野に置いて知識を深めた上で描かれていたのだと、今ならそう思う。
たとえば髪型とかもその時代を映し出したりしていて、この漫画は孫悟空が子供の状態から始まって大人になるまでを順々に描いているのだけど、キャラクターのほとんどがその時代時代に合わせて髪型を変えていっている、しかもすごく自然に。なかでもヤムチャとブルマとかはその代表例で二人とも初めて登場した時はまだ青年と女の子って感じだったのだけど、服装も髪型も年齢に合わせて徐々に変化を帯びていっている。これは何気にすごいことだと思うのね私。ストーリーの流れにそって年齢を加えて描いていく漫画は他にもあると思うけど、白髪入れたり、髭つけたり、皺入れたり、でも肌はピンピンっていう。技術面で言ったらあからさまに世界で二位に32.5ゲーム差ぐらいつけていると言える日本の漫画家でも「老い」を表現するのって難しいんだなぁってのが分かる。その点で言えばブルマとかヤムチャはすごい。ブルマなんか最初は成熟しきってない感があったのにそれがだんだん老けてって最後スッげーおばさんぽかったもん。この「ぽかった」っていうニュアンスが超難しいのだと思う。
それとこの漫画を今再び読んで一番強く思うことは、登場キャラクターの種類。
まず主人公が実は地球人じゃなかったし、当初は主要登場キャラクターがほぼ中華っぽくてそれは服装や名前からも一撃で分かるしウーロンなんか人民服着てるかなぁ豚なのに。
そこからどんどん人間以外の動物が人間と混じって登場してきたりレッドリボン軍なんて総長が赤毛で、秘書が黒人、んで一番の部下であるブルー将軍とか明らかに白人。この時点ですでにもう中華だけにこだわることはないという作者の思いが伝わる。が、そのレッドリボン軍が雇った殺し屋タオパイパイがあからさまなチャイニーズスタイル。さらに言えばこの軍隊の雑魚キャラは熊やら虎やらワニやら、それでいて普通の人間も同じ位で働いてんの。
確かにこの漫画の主人公は孫悟空なのだが、「西遊記」では無くて「ドラゴンボール」。時代も分かりにくいし、場所も全部偽名。
私が思うに鳥山明氏は漫画を通して「一つの地球」を言いたかったんじゃないかと思う。
国も民族も人種も貧富も男も女も、さらには動物や宇宙人までもが普通に登場してくる世界、そのなかで「孫悟空」という一切の影の部分を持たない、いわば人間として有り得ることの無い純粋な心を持った少年を通して「一つの地球」伝えたかったのだと思う。
そう思うとキャラクターの名前が一区切りごとにある関連性のあるもので決められているのも、あえて特定の地域性を出さないために物や食べ物の名前を使ったのではなかと思えてくる。
しかもそういいきるとそう思えてくるから不思議。
深い
あと小物も見逃せません。
タオパイパイに一撃殺されそうなチョイ役とか頭しか映ってないパイロットとかの服や帽子が微妙にどうして可愛い感じだったり。
普通のおじさんがかぶってる帽子に何気なく「PAFPAF」とか描いてあってリアルであったら即買いしそうな勢いです。
それにしてもキャラクターが年齢を重ねていく中で昭和の代表みたいな髪型をしている「ランチさん」の髪型が一切変わらないのは絶対作者が好きなタイプだからである。
むしろ作者はランチさんをもっとフューチャリングしたかったに違いない。
こう言い切ってしまうとそう思えてくるから不思議だ
深っけぇ
ちなみに、十巻の表紙でブルマさんの乳首さん拝めます。
童貞は書店に急げ。
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